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睡眠は筋トレの成果に影響を与える?
筋トレを頑張っているのに、なかなか筋肉が成長しない、疲労が抜けにくいと感じることはありませんか?その原因の一つに「睡眠の質」が関係している可能性があります。
筋肉を成長させるためには、トレーニングだけでなく、十分な休息も欠かせません。特に睡眠は、筋肉の回復や成長を助ける重要な役割を担っています。実際、複数の研究により、睡眠時間が短い人は筋肉の合成が低下し、逆に分解が進みやすくなることが示されています。
では、なぜ睡眠が筋肉の成長にとって重要なのか、具体的にどのような影響を与えるのかを詳しく見ていきましょう。
睡眠中に成長ホルモンが分泌される

筋トレと睡眠の関係で最も重要なのが、睡眠中に分泌される「成長ホルモン」です。
成長ホルモンは、筋肉の修復や成長を促進する役割を持っています。特に、ノンレム睡眠(深い眠り)の間に多く分泌されることが知られています。ある研究では、睡眠時間が短い人は、成長ホルモンの分泌量が減少し、筋肉の修復が遅れる可能性があることが示されました。
また、成長ホルモンには、脂肪燃焼を促す働きもあります。筋トレをしている人にとっては、筋肉を増やしながら脂肪を減らすことが理想的ですが、睡眠不足が続くとこのバランスが崩れてしまうかもしれません。
さらに、深い睡眠は筋肉の合成に必要なタンパク質の働きを高めるとも考えられています。トレーニング後に適切な栄養を摂取していても、睡眠の質が悪ければその効果が十分に発揮されない可能性があるのです。
睡眠不足が筋肉の分解を促進する
睡眠の重要性は、筋肉の成長を促すだけではありません。実は、睡眠不足が続くと、筋肉の分解が進みやすくなることも分かっています。その主な原因は、ストレスホルモンである「コルチゾール」の増加です。
コルチゾールの影響
コルチゾールは、ストレスを感じたときに分泌されるホルモンで、エネルギーを確保するために筋肉を分解し、アミノ酸を血中に放出する働きがあります。睡眠時間が不足すると、このコルチゾールの分泌量が増え、筋肉の減少につながる可能性があります。
ある研究では、1日5時間以下の睡眠を続けると、コルチゾールの分泌量が増加し、筋肉量の減少が加速することが報告されています。また、コルチゾールは脂肪の蓄積を促す作用も持つため、睡眠不足が続くと体脂肪が増えやすくなるという悪影響もあるのです。
テストステロンの低下
筋肉の成長に重要なホルモンとして「テストステロン」も挙げられます。テストステロンは、筋肉の合成を促進し、トレーニングの効果を最大化する働きを持っています。
しかし、睡眠不足になるとテストステロンの分泌が減少することが分かっています。研究によると、1週間にわたって1日5時間以下の睡眠を続けた男性は、テストステロンの分泌量が約15%低下したと報告されています。これは、筋肉の成長にとって大きなデメリットとなるでしょう。
筋トレをする人が意識すべき睡眠のポイント

では、筋トレの効果を最大限に引き出すために、どのような睡眠習慣を意識すればよいのでしょうか?
1. 1日7~9時間の睡眠を確保する
成人にとって、最適な睡眠時間は7~9時間とされています。特に、筋トレをしている人は、筋肉の回復や成長を促進するために、この範囲内の睡眠を確保することが推奨されます。睡眠はよく質の話をされますが、とにかく量を取らないと意味がありません。睡眠の質を気にするのは十分な量を取れてからにしてください。
2. 深い睡眠を増やす工夫をする
深い眠りを増やすためには、以下のような工夫が効果的です。
- 寝る前にスマホやパソコンを見ない(ブルーライトが睡眠の質を低下させる)
- 寝室を暗く静かにする(光や音を遮断することで深い眠りを促す)
- カフェインの摂取を控える(夕方以降のカフェイン摂取は睡眠の質を低下させる)
- 就寝前にストレッチを行う(リラックス効果があり、入眠しやすくなる)
- 寝る2時間前から何も食べない(寝てる間に胃腸が動いていたら体が休まっていない)
少し長くなりますが、睡眠の質について詳しく知りたい人のために解説します。
寝る前にスマホやパソコンはブルーライトの問題と、SNSやゲーム、通知などで交感神経が優位になることです。最近ではスマホ程度のブルーライトでは睡眠に影響はないということも言われていますが、ブルーライトを除いても寝る前に脳にSNSなどの刺激の高いものを入れるほうが問題ですので、寝る1時間前には充電器に指して触らないようにしましょう。また、寝室の光は間接照明にしましょう。人は上からの光を太陽だと思ってしまい、脳がまだ昼だと勘違いします。なので、照明はオシャンティーな間接照明にしてください。持ってない人は今すぐに買ってください。さらにこだわりたい人は光の色にも気を遣ってください。スタンフォード大学の神経科学者であるアンドリューヒューバマン博士によると、赤い光が唯一、睡眠の質に影響しないと言っています。まだ間接照明を持っていない人は赤い間接照明が良いでしょう。
寝室を暗く、静かにすることにより寝ている途中の目覚めを軽減することができます。また、寝室の温度は少し涼しい23度程度が良いでしょう。人が眠くなるのは深部体温が上がって下がるときなので、涼しい寝室で深部体温を下げるのが良いでしょう。また、寝る15分ほど前には部屋の換気をしましょう。二酸化炭素濃度と睡眠の質の研究で二酸化炭素濃度が低いほうが寝起きや、日中の眠気が軽減されました。寝室は涼しく、新鮮な空気にしておくのが良いでしょう。
カフェイン摂取は夕方と書きましたが、出来れば14時以降のカフェイン摂取は止めるのが良いでしょう。カフェインの半減期は人によって違いますが、長い人は8時間かかります。つまり、8時間たってようやく体内のカフェインの半分が分解されるということです。カフェインが体に入ったまま寝ても問題ない人もいるでしょう。しかし、睡眠の質は確実に落ちています。
睡眠前の軽い運動なら良いです。しかし、筋トレなどは絶対にしてはいけません。高強度のトレーニングをするとエンドルフィンやドーパミンにより、脳が覚醒します。寝る前はあくまでも体を伸ばす程度にしてください。
寝る前は出来れば何も食べないのが良いでしょう。消化には皆さんが思っているより大きなエネルギーを使います。睡眠は脳と体を休める行為です。そんな睡眠に入る前に消化をさせたら、もうわかりますよね。睡眠の質は下がります。夜ガッツリ食べる人は3時間前、軽い人は2時間前までに食べ終えてください。
3. 規則正しい睡眠リズムを守る
毎日同じ時間に寝て、同じ時間に起きることで、体内時計が整い、深い睡眠をとりやすくなります。週末だけ夜更かしをする習慣は、睡眠の質を低下させる可能性があるため注意が必要です。週末だけ夜更かしなどをしてリズムを崩すと時差ボケのような状態になるので、体の負担が相当大きくなります。
まとめ

睡眠は、筋トレの成果を最大化するために欠かせない要素です。成長ホルモンの分泌を促し、筋肉の回復を助ける一方で、睡眠不足はコルチゾールの増加やテストステロンの低下を引き起こし、筋肉の分解を進める可能性があります。
そのため、筋トレをしている人は、1日7~9時間の睡眠を確保し、深い眠りを増やす工夫をすることが重要です。また、規則正しい睡眠リズムを守ることも、筋肉の成長を助けるポイントとなります。
日々のトレーニングの成果を最大限に引き出すために、睡眠の質にもこだわってみてはいかがでしょうか。
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